[海外] シドニーで出会った小さな韓半島、K-応援文化が生み出した平和の瞬間
- オーストラリア協議会
- 2026-03-08 ~ 2026-03-08
シドニーで出会った小さな韓半島、K-応援文化が生み出した平和の瞬間
今年3月、オーストラリア(パース、ゴールドコースト、シドニー)で「2026 AFC女子アジアカップ」が開催されました。今回の女子アジアカップは、アジア12カ国が参加した最高レベルの女子サッカー大会で、「FIFA女子ワールドカップ ブラジル2027」への重要な関門であると同時に、南北の代表チームがともに出場したことで、特別な意味を持つ大会となりました。
特に「Dream Fearless(恐れずに夢を見よう)」というスローガンのもと、オーストラリアの同胞社会を中心に南北のチームに向けて送られた熱い応援は、南北がサッカーを通じて一つになる瞬間を作り出し、スポーツが伝える真の平和の意味を改めて考えさせました。

▲ 2026 AFC女子アジアカップ 韓国対オーストラリアの試合、「赤い波」で一つになったオーストラリアの韓国人応援団
Part 1. オーストラリアの同胞、大韓民国を応援!
6万人の大観衆の中、響き渡った「テ〜ハンミングク!」
3月8日、シドニーのスタジアム・オーストラリアで行われた韓国対オーストラリアの試合には、約6万人の観衆が集まり、大きな話題を呼びました。黄色いユニフォームを着たオーストラリア代表チーム「マチルダス」のファンが大勢集まっている中、約700人規模の韓国応援団は、少人数ながら、サムルノリのリズムや大合唱、太極旗が一体となった応援で、客席の一角を瞬く間に「文化の空間」へと変えました。
「規模は小さいですが、力強い応援で選手たちに元気を届けたくて1カ月前から準備してきました。オーストラリアの人々の前で、韓国人としての誇りを応援を通じて表現したいと思っています」
- イム・ジョンホ氏(応援準備委員長、前オーストラリアサッカー協会会長)
続いて3月14日に開催されたウズベキスタンとの準々決勝では、さらに多くの韓国ファンがスタジアムに駆けつけ、まるで韓国にいるような圧倒的な盛り上がりを演出し、現地メディアやサッカーファンの視線を釘付けにしました。韓国はこの日、6対0で大勝を収めました。
「エネルギーに満ちあふれています。韓国は海外からの遠征チームなのに、韓国を応援するファンがたくさん駆けつけていて、とても不思議で素敵です」
- クーパー氏(オーストラリアの観客、インフルエンサー)



▲ (左から) 応援団に挨拶する韓国女子サッカー代表チーム、キム・デボラ青年記者のインタビューに応じるクーパー氏(オーストラリアの観客)、イム・ジョンホ応援準備委員長
国籍を超えた応援、一つの歌「アリラン」
私はアリランを研究する音楽家として今回、応援の現場でアリランの持つ特別な力を改めて実感しました。ワーキング・ホリデーで滞在中の若者たち、留学生、在外同胞やその2世・3世の方々まで、世代も背景も異なる人々が、スマートフォンのライトを掲げて一緒にアリランを歌った瞬間、スタジアムは一つになりました。準決勝への進出を決めた韓国の選手たちも、ファンからの応援に感謝の気持ちを伝えました。
「(応援とアリランが)とてもよく聞こえました。ありがとうございます!」 - チ・ソヨン選手
「本当に大きな力になりました。おかげで6対0で勝つことができました。ぜひまた来てください!」 - ソン・ファヨン選手



▲ (左から) ライトを掲げてアリランを歌いながら応援するオーストラリア協議会の青年諮問委員、感謝の気持ちを伝えるチ・ソヨン選手とソン・ファヨン選手
Part 2. オーストラリアの同胞、北韓を応援!
北韓への応援、そして返ってきた挨拶
3月9日にはウェスタン・シドニー・スタジアムで、北韓対中国の試合が行われました。
雨の降るこの日、水色のスティックバルーンを手に席に着いている人たちが真っ先に目に入りました。オーストラリアのさまざまな同胞団体が力を合わせて結成した「オーストラリア同胞応援団」の皆さんです。民主平和統一諮問会議(以下、民主平統)オーストラリア協議会の諮問委員も、思いを一つにして応援に参加しました。
試合が始まると、オーストラリア同胞応援団は「コリア、ファイト!」と叫び、大きな声で応援を始めました。
「同じ民族として南北の試合を両方応援しようということで、応援団を結成しました。オーストラリアの同胞たちの北韓チームを応援する声が北の空にも響き渡り、南北が心を一つにできればと思っています」 - ハン・ジョンテ氏(応援団長、民主平統オーストラリア協議会諮問委員兼ライド市議会議員)



▲ (左から) オーストラリア同胞応援団の様子、北韓対中国の試合、北韓の試合を観戦するハン・ジョンテ諮問委員
振り返って届けられた挨拶、忘れられない数秒間
試合後、ある光景がみんなの心に響きました。
試合を終えた選手たちが本部席に挨拶をしてベンチへと向かう間も、オーストラリア同胞応援団は水色のスティックバルーンを叩きながら、最後まで応援を続けました。その時、思いがけない光景が目に入りました。ベンチへ向かっていた北韓の選手たちがふと足を止め、振り返ってオーストラリア同胞応援団に向けて手を挙げ、拍手を送りながら挨拶をしてくれたのです。その瞬間、客席からはこの日一番の大きな歓声が上がりました。スポーツの枠を超え、心と心が通じ合った瞬間でした。その様子を一緒に見守っていた外国人観客もまた、深い印象を受けた様子でした。


▲ 互いに応え合う北韓女子サッカーチームとオーストラリア同胞応援団
「単に戦争がない状態を超え、スポーツや文化交流を通じて、平和を段階的に築いていけたらと願っています」 - ホン・ヨンジャ氏(北韓大学院大学・社会文化言論専攻、博士課程)
「Peace is unity。平和とは連帯です。国籍や人種、性別を超えて、私たちは皆同じ人間ですから、誰かを憎んだり、国同士で戦争をしたりする理由はないと思います」 - ジム氏(外国人観客)
「韓国のファンの皆さんが北韓チームを応援する姿が本当に印象的でした。太鼓を叩きながら大きな声で応援し、互いに挨拶を交わす姿がとても温かく感じられました」 - シャロン氏(オーストラリアの観客)
この日、スタジアムでは、応援は声ではなく心で伝わっていました。



▲ (左から) インタビューに応じるホン・ヨンジャ氏、ジム氏(外国人観客)、シャロン氏(オーストラリアの観客)
Part 3. 街から始まった応援、文化の輪へ
現地の人も感銘を受けたK-応援文化
毎試合の前、太極旗を先頭に行われたサムルノリパレードは、今大会で最もユニークな光景の一つでした。スタジアム周辺で伝統衣装をまとって応援パレードを行ったのは、韓国が唯一だったからです。
「シドニーの韓国人社会には、複数のプンムル団があります。これまでは各団体が個別に公演を行ってきましたが、今回の韓豪応援合戦は、すべてのプンムル団が一つのチームになって臨んだ有意義な公演でした」 - チ・ヨングォン(シドニー韓国人会運営委員)
現地の人たちも、明るい笑顔でリズムに乗って応援団との写真撮影を楽しんだりと、伝統と応援が融合した「K-応援」は、自然と文化交流の場へとつながりました。



▲ (左から) 韓国の試合を前に結成された連合サムルノリチーム、パレードをする「シドニー・ハヌリ・サムルノリ」団長のキム・デボラ青年記者、スタジアム一帯を盛り上げたサムルノリの様子
今回の現場で見られたもう一つの特徴は、品格のあるK-応援文化でした。
毎試合の後、韓国の応援ゾーンで在外同胞コミュニティのリーダーたちが率先して後片付けをし、青年諮問委員たちも積極的に参加している様子が主催側の公式SNSで紹介され、大きな注目を集めました。
「Respect(素晴らしい)」「Elite spectator behaviour(品格のある観戦マナー)」といった反響は、韓国の応援文化には単なる情熱を超えて、思いやりや秩序、共同体的価値が含まれていることを示しています。K-応援文化を目の当たりにしたAFC関係者のマイケル・ヘネシー氏は、感動した様子で次のように語りました。
「I loved it!彼らの鮮やかな赤いTシャツと応援の掛け声が、スタジアムの雰囲気をさらに盛り上げました。韓国のゴールが決まるたびに爆発的な歓声が上がる様子がとても印象的でした」 - マイケル・ヘネシー氏(AFC女子アジアカップ プロモーションマーケティングマネージャー)


▲ 主催側の公式SNS(左) / 韓国文化院にてチェ・ヨンジュン駐シドニー総領事(中央)とAFC関係者のマイケル・ヘネシー氏(左端の男性)、そして韓国人コミュニティの関係者(右)
海外から始まる平和のメッセージ
今回の取材で分かったことは、在外同胞は単なる観察者ではなく、現場で平和共存を実践する主体であるということです。
「私たちは北から来られた方であれ、南から来られた方であれ、同じ同胞だと思っています。北韓の同胞を一生懸命応援することで、冷え込んだ南北関係が少しでも改善され、南北の平和が実現することを心から願っています」 - シン・ジュンシク氏(オーストラリア同胞応援団実行委員)
現場を訪れた俳優のイ・ウォンジョン氏(民主平統広報大使)も、同じような思いを語りました。
「試合が終わった後、北韓の選手たちが応援団に向かって挨拶したとき、涙が込み上げるほど胸が熱くなりました。冷え込んだ関係を乗り越えるきっかけは、もしかすると国内よりも海外の同胞社会から生まれるのかもしれないと思いました」 - イ・ウォンジョン氏(俳優、民主平統広報大使)
「間近で実際に北韓の選手たちを見られること自体が不思議な感じでした。みんなで集まり、心を一つにして応援することができた貴重な時間となりました。このような機会がもっと増えて、平和統一への若い世代の関心が高まれば嬉しいです」 - イ・ジイン氏(民主平統オーストラリア協議会諮問委員兼青年記者)
「中国留学時代に知り合った北韓の友達がいるのですが、今こうして北韓の試合を見ていて、その子のことを思い出しました。スクちゃん、元気にしてる?会いたいよ。また今度、絶対に会おうね!」 - ペ・ウンソル氏(民主平統オーストラリア協議会諮問委員)
私たちが北韓チームを応援しながら感じた胸の熱さや切なさは、「血は水よりも濃い」ということから生まれたのではないでしょうか。今回の試合で出会った若い諮問委員の皆さんの率直な言葉は、派手なスローガンよりも、個人的な経験やつながりこそが、平和をより身近で現実的なものに感じさせるということを教えてくれました。



▲ (左から) シン・ジュンシク実行委員、イ・ジイン諮問委員(青年記者)、ペ・ウンソル諮問委員
エピローグ
460メートルから2メートルへ
今年2月、民主平統のYouTubeチャンネル「統派員24時」で紹介された烏頭山統一展望台からの北韓は、わずか460メートルと手の届きそうな距離にありましたが、分断の現実からか、依然として遠く感じました。
ところが、シドニーでその距離は一気に2メートルに縮まりました。すぐ目の前で北韓の選手たちが体をほぐしながら試合の準備をしていたのです。そこでの応援は、単に距離を縮めたというより、距離の意味を変えた瞬間でした。これまで遠く感じていた南北の距離は、物理的な距離ではなく、心の距離だったのではないでしょうか。

▲ わずか2メートル先で体をほぐしている北韓の選手たちを目の前にしたキム・デボラ青年記者
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